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熊本の妖怪
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白坊主【シロボウズ】:熊本県天草郡本渡町の中央にあるクスノキの中に住み着いている白髪の老婆が白坊主の母親だといい、そのクスノキのそばを夜に通ると、老婆が白坊主の着物のための糸を紡ぐギーギーという音が聞こえたという。この木を切ったところ、真っ赤な血があふれ出したといわれる。(wikipediaの「白坊主」の頁より。)

同じ名称の伝承が各地にあるけど、容姿も内容も異なる白坊主さん。特に熊本のは、「それって白坊主ではなく、白坊主の母親の伝承なんじゃね?白坊主本人は登場しないし!」と、いうことで熊本に伝わる「白坊主の母」の絵です。老婆の口から出ていいるウネウネは『百鬼ノ図』の白坊主を拝借してます。


夢の無い話をするならば、遠い昔にクスノキにのそばにアルビノか色素の薄い子供を持った母親が住んでいたのではなろうかと思います。「この木を切ったところ、真っ赤な血が~」のくだりからは、迷信深い時代であるゆえに気味悪がられた挙句に親子は殺されてしまい、それがこの伝説の元になったのではと推測するのだけど、飛躍しすぎだろうか。

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1898年12月21日に町山口村が本渡町に改名。最終的に2006年3月27日に天草市と合体するまでに本渡町の名前で近隣とくっつきまくって時期によって本渡町の指す地域の広さが全然違うんだけど・・・。元となった文献がいつ書かれたのかわからないので、がとりあえず1898年の段階の本渡町の真ん中あたりに赤丸を置いてあります。
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熊本の妖怪
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twitterで相互フォローしている方が妖怪関係の郷土玩具について調べていらっしゃったので、熊本には「お化けの金太」がいるぞー!と主張しようと思って調べてみました。

熊本城がつくられている頃に「おどけの金太」という有名なひょうきん者がいたそうで、元々はそれの玩具だったのが、いつしか名が変化し「お化けの金太」になったとか。由来を聞くとお化けの玩具と言ってよいのかわからなくなったという・・・。赤い顔してるのに!気持ち悪い目をしてるのに!舌を出すのに!どうりでWikipediaの熊本の妖怪のところにいないはずだよ!築城の際の事故で死んだおどけの金太が化けてでたとか気の利いた事をいっておくれよ!
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伝承妖怪お題絵:第6回
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ヨバシリ【ヨバシリ】:山口県阿武郡相島に伝わる。海上で船が白帆を捲いて走ると、向こうも走ってきてこちらを惑わすという。灰を撒いて音を立てると消えるという。「夜走り」という意味か。(瀬川清子『旅と伝説』通巻一三〇号「相島日記」)

twitterでやっている伝承妖怪お題絵の6月のお題。イルカやサメの背びれがイメージの中心ではあるのですが、海上のモノと海中のモノのセットとして描いたので二人一組の手長足長の特徴を取り込みつつ、海の怪異は火に関係するのものも多いので、それも取り込みました。夜の海の暗さを考えたら、光ってないと接近がわからないんじゃないかというのが理由。絵では帆を捲いてないけど気にしない。あと、帆の形状も調べずに描いて酷いことになってるけど気にしない。
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伝承妖怪お題絵:第5回
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イデモチ:熊本県球磨郡に伝わる。さかま淵の主で、腹にある吸盤で人を取り殺すという。淵の底に障子が立ててあって、その中にいるともいう。(『綜合日本民俗語彙』)

twitterでやっている伝承妖怪お題絵の5月のお題。「腹にある吸盤~」というくだりをみて、ハゼにはヨシノボリといった腹ビレが吸盤状になった種類がいたなー、と連想してハゼをベースに。次に「腹にある吸盤で人を取り殺す」というくだりで、腹にある吸盤を取り殺す対象に接触させるとなると、相撲取りががっぷり四つになってる姿しか思い浮かばなかったので、このような外見とあいなりました。球磨川には大小さまざまな瀬や淵が100以上あるらしいので、「さかま淵」と呼ばれる場所も残ってるかもしれませんね。きっと遠い昔のさかま淵には普通のハゼよりひとまわり大きい、主と思えちゃうようなのがいたに違いない。

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白地図の配布元
http://www2m.biglobe.ne.jp/~ZenTech/japa...
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伝承妖怪お題絵:第4回
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火取り魔【ヒトリマ】:石川県江沼郡に伝わる。蟋蟀橋(こおろぎばし)近くを通ると提灯の火がスーッと消え、通り過ぎるとまた灯るという。(柳田國男『妖怪談義』など)

twitterでやっている伝承妖怪お題絵の4月のお題。締め切りすぎて既にGWだけど!こおろぎ橋という場所は現在もあるそうで、グーグルで検索にかけると見ることができます。こおろぎ橋がある山中温泉が山に囲まれた場所ということを考えると、提灯の火がこころもとなくなる事はさぞや昔の人の不安を煽った事でしょう。現代人の面白みの無い考えを述べるならば、気圧の関係で風が生じ、橋の方からか橋の方へか吹いていたのではなかろうかとか思うわけでございます。北陸という土地と、余った温泉湯を川に流してるであろう関係から温度による気圧差も生じやすいのではないかと。なので、風や気体を連想させるような外見にしました。wikipediaによると正体はキツネであるとも言われているようなので、そのニュアンスも込めて。

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(追記)
気圧の関係で生じる風は昼間は川から陸地に、夜は陸地から川へと吹くそうです。絵の風の線や提灯の傾きは逆ですな。描く前に川風についてきちんと調べればヨカッタ。でも怪奇現象と思えば不自然はないかもしれない。
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伝承妖怪お題絵:第3回
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シッケンケン:長野県諏訪郡に伝わる。雪の中に現れる女で、出会った人を紐で縛ってしまうという。片足飛びで移動することからこの名前がついたといわれている。(『綜合日本民俗語彙』など)

twitterでやっている伝承妖怪お題絵の3月のお題。「紐で縛る~」というくだりは、方言で凍えたり・悴んだりする様を「しばれる」という地方があるので、その流れでついた特徴かな。雪国で片足飛びで移動となると雪にズボズボ埋まりそうなので身体のサイズを縮めて妖怪というより妖精っぽいイメージで描いてみました。片足飛びに見えるのは空中を大きく蹴りながら移動しているから、みたいな感じで。
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伝承妖怪お題絵:第2回
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覆い掛かり【オイガカリ】:広島県比婆郡に伝わる。歩いていると後ろから覆いかかってくるという。(柳田國男『妖怪談義』)

twitterでやっている伝承妖怪お題絵の2月のお題。おぶさり系の妖怪の起源って、ムササビあたりの生息地域に行商人といった他所の人間が通りがかった際に背中に飛び乗られ妖怪と思ったのが半分、沼地や火山地帯を通りがかった人が発生したガスを吸って身体が重く感じたりしたのを妖怪のしわざにしたが半分、そんな感じなんじゃなかろうかと夢がないことを思ったりするのですがー…。前者だと先月描いた絵と変わらなくなっちゃうし、後者でいこうと筆を走らせたものの他の参加者の方の絵と割りと外見のイメージが似通っていたので、もっと大胆にやればよかったと思わなくも。
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伝承妖怪お題絵:第1回
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赤殿中【あかでんちゅう】:
徳島県板野郡堀江村(現・鳴門市)。夜中、タヌキが赤いでんちゅう(袖のない半纏)を着た子どもに化けて背負うことをしつこくねだる。仕方なく背負うといかにも嬉しそうな様子で、その人の肩を叩くという。(wikipediaの「化け狸」の頁より。)

まぁ妖怪なので、子供を背負いながら道を歩いていたつもりが肩を叩かれて我に返ってみたら水路を歩いてた、くらいはあっても良いかなー、と。
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伝承妖怪お題絵:第1回

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赤殿中【あかでんちゅう】:
徳島県板野郡堀江村(現・鳴門市)。夜中、タヌキが赤いでんちゅう(袖のない半纏)を着た子どもに化けて背負うことをしつこくねだる。仕方なく背負うといかにも嬉しそうな様子で、その人の肩を叩くという。(wikipediaの「化け狸」の頁より。)

twitterで赤殿中が話題になってたので乗っかろうと思って描いたのですが、「おぶさり系の妖怪→重くなる」「化け狸→大きいふぐり」といイメージが頭から離れなくて、それを盛り込んだら本来の赤殿中の姿から離れていったという。温和そうな妖怪だけど、怒らせたらきっとこうなるよ!…と、ここまで述べておいて何だけど赤殿中というより豆狸の絵にしてしまったほうがしっくりくるかも。

豆狸【まめだぬき】:
広げると八畳もある陰嚢を持ち、関西以西に多く棲んでいたという。犬くらいの大きさで、通常の狸よりもずっと知能が高く、陰嚢に息を吹きかけることで大きく広げて部屋などの幻を人に見せたり、自ら陰嚢をかぶって別の者に化けたりしたという。(wikipediaの「豆狸」の頁より。)

んー、どっちつかずかね。

去年は白黒イラストは解像度600・B4原稿用紙の内枠サイズで描いていましたが、アウトラインを引くときに解像度を持余していたので今年は解像度600・B5原稿用紙の内枠サイズで行く予定。