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2012年10月27日 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

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伝承妖怪お題絵:第10回
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オクポ:埼玉県日高町(現日高市)に伝わる。暗い大木に寝泊まりしていて、暮れ方になると鳴くという。子供がよく泣くとこれが来るという。オクポが聖天院で鳴くと人が死ぬが、向山で鳴くと晴れになり、いいことがあるという。(日高町教育委員会『日高町史 民俗編』)

twitterでやっている伝承妖怪お題絵の10月のお題。最初に文章を読んだ時には、大樹の根元のうろに住むヤンバルクイナっぽい外見か、大樹の枝に住む梟みたいな外見かという印象を受けたのですが、死を予告する不吉さを前面に打ち出してみてこんな外見となりました。

聖天院は高句麗から渡来した高麗王若光の菩提寺として751年に建立された寺だそうです。オクポは玉浦の朝鮮読みとも受け取れ、日高市に716年に高麗郡が設置され各地の高麗人が移住してきたという背景からして、伝承の元は人間なのでしょうね。高麗人の血脈濃いし頃は聖天院で葬儀が行われる際に中国や朝鮮半島にある泣き女の風習が持ち込まれていて、それが形を変え死を予告する聖天院の鳴き声として伝わったかもしれないし、高麗人の作業の掛け声が形を変え向山の晴れの鳴き声と伝わったかもしれない・・・そう考えるとしっくりくるかも。まぁ、想像の域を出ない話ではあるけど。

2012年10月26日 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

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キャラクター
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某公募に送ったもの。受賞作や入賞作を見てると味噌以外に麦(麦麹)とお椀が求められてたっぽい。受賞作と入賞作の一番目に杓文字があったところを見ると、杓文字も採用者の琴線に触れてたようで。そこで(今頃になって)味噌の作り方について調べてみたら製造途中でガス抜きとして上下を混ぜるのに杓文字を使うようですね。思いつきもしなかった。

この絵は9月に描いたんですが、10月に入ってキャラクター公募熱が再燃。10枚ほど描いたけど、いつもの如く締め切りギリギリになってから推敲しないまま送るので、おそらく皆討ち死にだろうな。

2012年10月7日 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

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熊本の妖怪
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犬神【いぬがみ】:狐憑き、狐持ちなどとともに、西日本に最も広く分布する犬霊の憑き物(つきもの)。近年まで、大分県東部、島根県、四国の北東部から高知県一帯においてなお根強く見られ、狐の生息していない四国を犬神の本場であると考える説もある。また、犬神信仰の形跡は、島根県西部から山口県、九州全域、さらに薩南諸島より遠く沖縄県にかけてまで存在している。宮崎県、熊本県球磨郡、屋久島ではなまって「インガメ」、熊本県人吉市では「インガミ」、種子島では「イリガミ」とも呼ばれる。(wikipediaの「犬神」の頁より。)


wikipediaの「犬神」の頁の続きを読んでもらえればわかると思うのですが、外見の伝承が地方地方で差異があってどうにもこうにも。とりあえずひょろ長くして、人間に取り憑いてる様を描いてみました。「若干大きめのネズミほどの大きさ」や「体長33センチくらいの蝙蝠に似た姿」を忠実に描いてしまうと見た目が怖くもなんともないような・・・。漫画風にイメージするなら、普段は小動物に取り憑いて生活(?)していて、人や馬や牛に害をなす時に宿主から凶暴な霊魂みたいなものが抜き出て対象に取り憑く、みたいな感じかな。

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2012年10月4日 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

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愛知おもてなし妖怪隊
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twitterでやっている伝承妖怪お題絵・・・ではありません。番外編。

金釣瓶落とし【かなつるべおとし】:「愛知おもてなし妖怪隊」の金釣瓶落としの項目参照のこと。

「愛知おもてなし妖怪隊」【http://aichiyoukwaitai.web.fc2.com/】という活動をやってる方々がおられまして。twitterで相互フォローしていることもあって寄稿用に。

釣瓶で人をすくい上げるって難しそう。あらかじめ穴を掘って釣瓶を収めて表面をカムフラージュしておいて、人が落ちたら吊り上げる・・・という感じかな。

2012年10月1日 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

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熊本の妖怪
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山童【やまわろ、やまわらわ】:九州を始めとする西日本地方に伝わる童子姿の妖怪。河童が変化したもので、山間部に棲むといわれる。姿は10歳程度の童子のようで、頭には柿褐色の長い頭髪を生やし、全身が細かい毛に覆われている。胴は短く、2本の長い脚で直立して歩き、人の言葉を話すとされる。

熊本県南部ではガラッパが彼岸に山に入って山童になり、春の彼岸に川に戻ってガラッパになるという。このような河童と山童の去来を、田の神と山の神の季節ごとの去来、さらには夏季と冬季に二分される日本の季節に対応しているとする見方もある。熊本の葦北郡では山仕事が多いとき「山の若い衆に頼むか」と言って山童に頼むという。また礼をあげるときは飯でも魚でも、たとえ量が少なくても最初に約束した物でなければならないといい、そうしないと山童は怒るという。仕事の前に礼の食べ物をあげると食い逃げされてしまうという。(wikipediaの「山童」の頁より。)


妖怪の絵というと、この妖怪と言えばこの外見!という連中がいますが、それは色んな絵描きにその外見で描かれてきたからなんですよね。元々は口伝やわずかな記述といった曖昧な見てくれのモノが、同じ特徴を踏まえた幾つもの図を描かれることによって確固たるモノになるという。と、余談はさておき、鳥山石燕『画図百鬼夜行』の「山童」をベースに描きました。鳥山石燕は『画図百鬼夜行』を描く際に佐脇嵩之の『百怪図巻』を参考にしたらしいと言われていますが、佐脇嵩之の『山わろう』は子供っぽく描かれているのに、鳥山石燕の『山童』は見るからにオッサン。まぁ、ガラッパが変化するものなら年齢性別と個体差があってもいいのかも。ガラッパは手足が長いという外的特徴があって、前にガラッパの絵を描いた時に身長が人間と同程度ならば、そのぶん胴は短いのではなかろうかと書き添えたけど、山童は外的特徴として胴が短いんだよねぇ。普通の体型で描いちゃったけど。

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