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伝承妖怪お題絵:第8回
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ママオッカ:千葉県佐倉市に伝わる。空の唐箕を廻すと出るという恐ろしいもの。「鬼が出る」ともいわれる。(『佐倉市史 民俗』)

twitterでやっている伝承妖怪お題絵の8月のお題。この妖怪って、用も無いのに唐箕(とうみ)で遊ぶ子供に対しての戒めから生まれた妖怪だと思うのです。子供は加減なしにハンドルを高速回転したりして故障の原因となるだろうから。ママオッカという名前は直感的には「ママ、おっかねぇ」からきたんじゃなかろうかと思いましたが、「ママ」って外来語だよな・・・。「マンマ=飯」からきてるのだろうか。「用も無いのに唐箕で遊んでると、そのままおっかねぇ化け物に食われちまうぞ!」みたいな注意の台詞が部分的に残ったという線も。「そのまま」の使い方が無理やりすぎるか・・・。

母親というのは子供の行動パターンを読んでいて、悪戯しようとしても事前に察知して釘をさしてきたりしますよね。なので鬼婆風に。で、子供に対する戒めのパターンというと、「~すると~に食われちまうぞ!」か「~すると~に連れ去られちまうぞ!」だと思うので、前者の食べられてしまいそうな外見を加えました。


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『大佐用』第18号(2013年01月13日)発行
http://yokaidoyukai.ho-zuki.com/taisayo1...
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伝承妖怪お題絵:第7回
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おとん女郎【オトンジョロウ】:鳥取県気高郡の立見峠に伝わる。よく人を化かした女狐で、よく「おとみ」という女郎に化けたことからこの名がついたという。助けられた恩返しに、女郎に化けて京都に売られていったという逸話もある。桂蔵坊の妻ともいわれている。(佐藤清明『現行全国妖怪事典』など)

twitterでやっている伝承妖怪お題絵の7月のお題。旦那の桂蔵坊って伝承の中で死んでるけど、おとん女郎が売られる話は未亡人になった後なのだろうか、それとも前なんだろうか。生きてた頃なら妻を取り返しに行く桂蔵坊の話とか創作できそう。
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伝承妖怪お題絵:第6回
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ヨバシリ【ヨバシリ】:山口県阿武郡相島に伝わる。海上で船が白帆を捲いて走ると、向こうも走ってきてこちらを惑わすという。灰を撒いて音を立てると消えるという。「夜走り」という意味か。(瀬川清子『旅と伝説』通巻一三〇号「相島日記」)

twitterでやっている伝承妖怪お題絵の6月のお題。イルカやサメの背びれがイメージの中心ではあるのですが、海上のモノと海中のモノのセットとして描いたので二人一組の手長足長の特徴を取り込みつつ、海の怪異は火に関係するのものも多いので、それも取り込みました。夜の海の暗さを考えたら、光ってないと接近がわからないんじゃないかというのが理由。絵では帆を捲いてないけど気にしない。あと、帆の形状も調べずに描いて酷いことになってるけど気にしない。
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伝承妖怪お題絵:第5回
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イデモチ:熊本県球磨郡に伝わる。さかま淵の主で、腹にある吸盤で人を取り殺すという。淵の底に障子が立ててあって、その中にいるともいう。(『綜合日本民俗語彙』)

twitterでやっている伝承妖怪お題絵の5月のお題。「腹にある吸盤~」というくだりをみて、ハゼにはヨシノボリといった腹ビレが吸盤状になった種類がいたなー、と連想してハゼをベースに。次に「腹にある吸盤で人を取り殺す」というくだりで、腹にある吸盤を取り殺す対象に接触させるとなると、相撲取りががっぷり四つになってる姿しか思い浮かばなかったので、このような外見とあいなりました。球磨川には大小さまざまな瀬や淵が100以上あるらしいので、「さかま淵」と呼ばれる場所も残ってるかもしれませんね。きっと遠い昔のさかま淵には普通のハゼよりひとまわり大きい、主と思えちゃうようなのがいたに違いない。

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白地図の配布元
http://www2m.biglobe.ne.jp/~ZenTech/japa...
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伝承妖怪お題絵:第4回
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火取り魔【ヒトリマ】:石川県江沼郡に伝わる。蟋蟀橋(こおろぎばし)近くを通ると提灯の火がスーッと消え、通り過ぎるとまた灯るという。(柳田國男『妖怪談義』など)

twitterでやっている伝承妖怪お題絵の4月のお題。締め切りすぎて既にGWだけど!こおろぎ橋という場所は現在もあるそうで、グーグルで検索にかけると見ることができます。こおろぎ橋がある山中温泉が山に囲まれた場所ということを考えると、提灯の火がこころもとなくなる事はさぞや昔の人の不安を煽った事でしょう。現代人の面白みの無い考えを述べるならば、気圧の関係で風が生じ、橋の方からか橋の方へか吹いていたのではなかろうかとか思うわけでございます。北陸という土地と、余った温泉湯を川に流してるであろう関係から温度による気圧差も生じやすいのではないかと。なので、風や気体を連想させるような外見にしました。wikipediaによると正体はキツネであるとも言われているようなので、そのニュアンスも込めて。

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(追記)
気圧の関係で生じる風は昼間は川から陸地に、夜は陸地から川へと吹くそうです。絵の風の線や提灯の傾きは逆ですな。描く前に川風についてきちんと調べればヨカッタ。でも怪奇現象と思えば不自然はないかもしれない。
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伝承妖怪お題絵:第3回
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シッケンケン:長野県諏訪郡に伝わる。雪の中に現れる女で、出会った人を紐で縛ってしまうという。片足飛びで移動することからこの名前がついたといわれている。(『綜合日本民俗語彙』など)

twitterでやっている伝承妖怪お題絵の3月のお題。「紐で縛る~」というくだりは、方言で凍えたり・悴んだりする様を「しばれる」という地方があるので、その流れでついた特徴かな。雪国で片足飛びで移動となると雪にズボズボ埋まりそうなので身体のサイズを縮めて妖怪というより妖精っぽいイメージで描いてみました。片足飛びに見えるのは空中を大きく蹴りながら移動しているから、みたいな感じで。
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伝承妖怪お題絵:第2回
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覆い掛かり【オイガカリ】:広島県比婆郡に伝わる。歩いていると後ろから覆いかかってくるという。(柳田國男『妖怪談義』)

twitterでやっている伝承妖怪お題絵の2月のお題。おぶさり系の妖怪の起源って、ムササビあたりの生息地域に行商人といった他所の人間が通りがかった際に背中に飛び乗られ妖怪と思ったのが半分、沼地や火山地帯を通りがかった人が発生したガスを吸って身体が重く感じたりしたのを妖怪のしわざにしたが半分、そんな感じなんじゃなかろうかと夢がないことを思ったりするのですがー…。前者だと先月描いた絵と変わらなくなっちゃうし、後者でいこうと筆を走らせたものの他の参加者の方の絵と割りと外見のイメージが似通っていたので、もっと大胆にやればよかったと思わなくも。
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伝承妖怪お題絵:第1回
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赤殿中【あかでんちゅう】:
徳島県板野郡堀江村(現・鳴門市)。夜中、タヌキが赤いでんちゅう(袖のない半纏)を着た子どもに化けて背負うことをしつこくねだる。仕方なく背負うといかにも嬉しそうな様子で、その人の肩を叩くという。(wikipediaの「化け狸」の頁より。)

まぁ妖怪なので、子供を背負いながら道を歩いていたつもりが肩を叩かれて我に返ってみたら水路を歩いてた、くらいはあっても良いかなー、と。
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伝承妖怪お題絵:第1回

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赤殿中【あかでんちゅう】:
徳島県板野郡堀江村(現・鳴門市)。夜中、タヌキが赤いでんちゅう(袖のない半纏)を着た子どもに化けて背負うことをしつこくねだる。仕方なく背負うといかにも嬉しそうな様子で、その人の肩を叩くという。(wikipediaの「化け狸」の頁より。)

twitterで赤殿中が話題になってたので乗っかろうと思って描いたのですが、「おぶさり系の妖怪→重くなる」「化け狸→大きいふぐり」といイメージが頭から離れなくて、それを盛り込んだら本来の赤殿中の姿から離れていったという。温和そうな妖怪だけど、怒らせたらきっとこうなるよ!…と、ここまで述べておいて何だけど赤殿中というより豆狸の絵にしてしまったほうがしっくりくるかも。

豆狸【まめだぬき】:
広げると八畳もある陰嚢を持ち、関西以西に多く棲んでいたという。犬くらいの大きさで、通常の狸よりもずっと知能が高く、陰嚢に息を吹きかけることで大きく広げて部屋などの幻を人に見せたり、自ら陰嚢をかぶって別の者に化けたりしたという。(wikipediaの「豆狸」の頁より。)

んー、どっちつかずかね。

去年は白黒イラストは解像度600・B4原稿用紙の内枠サイズで描いていましたが、アウトラインを引くときに解像度を持余していたので今年は解像度600・B5原稿用紙の内枠サイズで行く予定。