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熊本の妖怪
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御輿入道【みこしにゅうどう】:熊本県天草郡一町田村(現・天草市)では、見越し入道と発音は同じだが漢字表記の異なる御輿入道として伝承されている。下田の釜という地の一本道に現れるという身長5丈(約15メートル)の妖怪で、出遭った人を今にも嘗めるかのように舌なめずりをするという。ある者がこれに出遭い、一心に神を念じたところ、入道は神に恐れをなし、御輿のようなものに乗り、布を長く引いて山のほうへと飛び去ったという。(wikipediaの「見越し入道」の頁より。)


見越し入道というの妖怪の話を聞いた人が「御輿=見越し」の駄洒落がやりたくて話を膨らませた、そんな流れで出来た伝承ような気がします。故意じゃなくとも、伝言ゲームのように話が伝わっていくうちに誰かが適当に付加したものが残ったんじゃないでしょうかね。

一般的に見越し入道は狸や狐、狢の変化と言われていますが、御輿入道は御輿の付喪神とイメージすることもできるかもしれません。

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パラパラ地図:熊本県
http://mujina.sakura.ne.jp/history/43/in...
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熊本の妖怪
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のっぺらぼん【のっぺらぼん】:
2012年11月2日の重箱婆の記事も参照してください。
http://amakoma.sakura.ne.jp/diary/diary....

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むかしむかし、熊本城の近くの法華坂は、そりゃあ寂しいところでな、誰いうとなく そこには重箱婆が出るという噂が流れておったそうな。さて、その坂の上と下には茶店があってな、ある日の夕方、一人の旅人が坂の上の茶店に入ったげな。
  「そうそうおかみさん、ここが法華坂たいね」
旅人は団子を注文すると、店の奥にいるおかみさんに向ってこう聞いた。向こうを向いているおかみさんは、
  「はい、そぎゃんですたい」
と答えた。したら、
  「ここに重箱婆が出るという噂は本当かいな」
  「はい、出ますばい」 
  「ほう、いったいどぎゃんもな」
旅人は身をのりだして、向こうを向いているおかみさんに尋ねたそうな。するとな、おかみさんは突然、
  「重箱婆とは、こぎゃんとですたい」
ちゅうて、くるっと旅人の方を振り向いたんだと、したら なんとしたこと、その顔というんが、目も鼻も口もない、ノッペラポンではないか。旅人は目ん玉がとび出るほど驚(おどろ)いた。むちゅうで坂をかけおり、下の茶店にとびこんだんだと。中では娘が一人、せわしげに働いておった。旅人は真青になって娘にいうたと。
  「ああ恐ろしか、ねえさん、わしゃ、重箱婆ちゅうもんば初めて見た」
したら娘は、
  「お客さん、その重箱婆ちゅうんは、こぎゃんとだったですど」
と言うてこっちを振り向いたんじゃ、見るとその娘もまたノッペラポン。旅人はもう、魂も吹っ飛んで、やっとの事でそこを逃げ出したちゅう話じゃ。
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荒木精之・村田煕[著]『日本の民話22 肥後・薩摩・大隅篇』が元なんかな?小泉八雲の「怪談」の「むじな」、落語の「のっぺらぼう」の話そのままなんで熊本独自の妖怪という気が全然しない。

とりあえず頭に葉っぱを乗せて狸が化けてることをアピールしてみました。

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熊本の妖怪
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九千坊【きゅうせんぼう、くせんぼう】:詳細はこちらのサイトをお読みください。
河童 狐 妖怪 もののけ 魑魅魍魎 日本の歴史 雑学の世界
http://www.geocities.jp/widetown/japan_d...

みのうの豆本・九千坊物語
http://www.snk.or.jp/cda/mame/3tanusimar...

一族を率いて海を渡ってきた頃は優れた統率力を発揮していたんでしょうけど、加藤清正と猿軍団相手に敗走したり、弥々子河童に敗れたり、誘惑の多い江戸に出ては手下を抑えられず許しを乞うて筑後川に戻ったりとイマイチ冴えない印象。「人間なぞ返り討ちにしてく・・・さ・さ・さ・猿ぅー!?」と、いうイメージで描きました。

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あすこここ
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twitterでやっている画像妖怪お題絵・・・ではありません。番外編。

彼処此処【あすこここ】:熊本県八代市の松井家に伝わる「百鬼夜行絵巻」に描かれている妖怪。どこの土地の妖怪なのか、どんな伝承があるのか判明していない。

ちなみに画像妖怪お題絵というのは、画像のみ残っていて、どんな妖怪かの名称や記述が不明なものに好き勝手に設定を考えたり描いたりして遊ぶ企画です。この「あすこここ」は名前のみは判明しているので、番外編と銘打ったものの微妙に企画の趣旨とそれているかもしれません。


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(↑)絵巻物に描かれているのはコレ。大雑把に模写しています。
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熊本の妖怪
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重箱婆【じゅうばこばば】:熊本県玉名郡、宮崎県日向市に伝わる。古狸が重箱を手に持った老女に化けて現れたという。熊本ではさらに重箱婆が「重箱婆じゃ、ご馳走はいらんかえ」と言いながら、人に石のようなものを担がせるという。(wikipediaの「化け狸」の頁より。)

別の伝承によると、「重箱のご馳走はいらんかえ」と声をかけて相手が近づいてきたところに目も鼻も口も無いのっぺらぼんの顔を見せて驚かせたりもするそうです。伝承の中でハッキリと狸=重箱婆、重箱婆=のっぺらぼんと言われてるんですよね。「重箱婆」と「のっぺらぼん」を別妖怪として扱いたいんだけど、この記述のせいで悩みます。この狸に名前があれば良かったのに。

氷厘亭氷泉さんの和漢百魅缶によると「膝から足にかけて生えている目玉をみせたり」もするそうです。
http://www10.plala.or.jp/cotton-candy/mo...

老婆を顔無しにして足に目玉を描き入れようかとも思いましたが、女性の着物で生足をさらけだしてるのをイメージしにくかったのと、それをやると詰め込みすぎな気がしてこのような絵になりました。

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重箱婆の記述がある『昔話研究』一巻四号が刊行された昭和10年(1935年)当時の玉名郡は玉名市と荒尾市(ピンクの間の二つの地域)も含んで玉名郡なんですよね・・・。現在と本が書かれた当時では微妙に範囲が食い違うという。とりあえず熊本の妖怪の絵の下に地図をつけてはいるものの、現代の地域分けで色付けしてるのであまりアテにはならないかも。分離やら合併、時には地名変更もあるせいでややこしい。

パラパラ地図:熊本県
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伝承妖怪お題絵:第10回
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オクポ:埼玉県日高町(現日高市)に伝わる。暗い大木に寝泊まりしていて、暮れ方になると鳴くという。子供がよく泣くとこれが来るという。オクポが聖天院で鳴くと人が死ぬが、向山で鳴くと晴れになり、いいことがあるという。(日高町教育委員会『日高町史 民俗編』)

twitterでやっている伝承妖怪お題絵の10月のお題。最初に文章を読んだ時には、大樹の根元のうろに住むヤンバルクイナっぽい外見か、大樹の枝に住む梟みたいな外見かという印象を受けたのですが、死を予告する不吉さを前面に打ち出してみてこんな外見となりました。

聖天院は高句麗から渡来した高麗王若光の菩提寺として751年に建立された寺だそうです。オクポは玉浦の朝鮮読みとも受け取れ、日高市に716年に高麗郡が設置され各地の高麗人が移住してきたという背景からして、伝承の元は人間なのでしょうね。高麗人の血脈濃いし頃は聖天院で葬儀が行われる際に中国や朝鮮半島にある泣き女の風習が持ち込まれていて、それが形を変え死を予告する聖天院の鳴き声として伝わったかもしれないし、高麗人の作業の掛け声が形を変え向山の晴れの鳴き声と伝わったかもしれない・・・そう考えるとしっくりくるかも。まぁ、想像の域を出ない話ではあるけど。
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キャラクター
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某公募に送ったもの。受賞作や入賞作を見てると味噌以外に麦(麦麹)とお椀が求められてたっぽい。受賞作と入賞作の一番目に杓文字があったところを見ると、杓文字も採用者の琴線に触れてたようで。そこで(今頃になって)味噌の作り方について調べてみたら製造途中でガス抜きとして上下を混ぜるのに杓文字を使うようですね。思いつきもしなかった。

この絵は9月に描いたんですが、10月に入ってキャラクター公募熱が再燃。10枚ほど描いたけど、いつもの如く締め切りギリギリになってから推敲しないまま送るので、おそらく皆討ち死にだろうな。