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AMAKOMA-YA
「グインサーガ」(栗本薫・著)がアニメ化されて2009年春より放送されるそうですね。

私は14.5歳の時に田中芳樹にはまっていたのですが、発売されていた彼の著作を一通り読み終えた後に手を出したのが栗本薫でした。切っ掛けは古本屋で外伝込みで40冊くらいのセットで売られていた「グインサーガ」を買った事。そこは行き付けの店で、何年もの昔からパックにされた塊が鎮座し続けていたのが気になってしょうがなかったのが理由でした。えらく年季が入った本たちで、一巻目の定価が280円だったかな?とにかくすごく安い値段で驚いた記憶があります。巻を重ねるごとに定価が上がっていて、ハヤカワ文庫の値上がりの歴史が分かるという代物でした。

結局のところ、私にとって栗本薫は田中芳樹ほどの熱を与えてはくれませんでした。「グインサーガ」は序盤は正統派ファンタジーで面白かったのですが、次第に作者が耽美色に走り始めると言うか、展開や文体が回りくどくなると言うか、登場人物の独白が2~3頁も続くのが当たり前になってきたあたりで心が折れました。角川スニーカー文庫や富士見ファンタジア文庫といったラノベにありがちな行を詰めたら本の厚さが半分で済むようなものではなく、頁に字がきっちり詰まるレベルでそれを繰り返された日には勘弁してくださいとしか言いようがなく・・・。セットでまとめて買ったあと一年くらいの間は古本屋で先の巻を見かける度に買っていたのですが、最新刊に追いつくことなく自分にとっての「グインサーガ」は終わってしまいました。

ゲームなどで時折、グインの影響を受けたと思しきキャラクターを見かけたりするので世の中に与えた影響は間違いなくあったのでしょうが、一方で私と同じく読むことを挫折した人間が多そうな作品でもあります。(ちなみに現在も刊行は続いていて122巻目だそうです。)

私は最近、田中芳樹原作のアニメ「タイタニア」を毎週観ているのですが、こちらは人名や地名を聞くと先の展開を思い出すのに対し、「グインサーガ」はアニメ化されたものを観ても、なんとなくですが思い出さないような気がします。「グインサーガ」以外の著書も高校の図書館に置いてあった分は一通り読んだのですが、ほとんど記憶に残っていません。(いくつかは面白い本もあったように思うのですが。)「グインサーガ」における、読むのを止めるに至るまで続いた「惰性で付き合い続けた」印象が強すぎるからかなぁ。


そういえば、夢枕獏の「黒塚」、京極夏彦の「魍魎の匣」も現在アニメ化され放送されています。少し前までは田中芳樹の「薬師寺涼子の怪奇事件簿」もアニメ化されて放送されていました。アニメの年間制作数が増えジャンルや客層が細分化していった結果、それらの小説家たちが一世を風靡した頃に中学生~高校生だった層をターゲットに制作されるようになったのかな、と思ったりもしましたが、調べてみるとメディアミックス路線で漫画化されたりもしてるようなので、それらも含めて出来うるだけ幅広い年齢層をターゲットに、という戦略なのかもしれませんね。