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熊本の妖怪
竹迫城の奥方【たかばじょうのおくがた】:竹迫城(たかばじょう)の殿様の奥方は薩摩の島津さんのお姫様で、それはそれは美人だったそうです。しかし、この奥方は時々城を抜け出してどこかへ行くという噂がありました。ある日、不思議に思った殿様の家来が確かめようと思い、奥方の後をそーっとつけて行きました。奥方は城の下にある蓮池に行き、なんと水浴びをはじめたのです。そしてバシャッと水音がしたかと思うと、奥方の体が蛇となって蓮池の中を泳いでいるではありませんか。家来はびっくり仰天して城に帰り、殿様に報告しました。殿様も非常に驚き、手紙をしたためて離縁の運びとなります。当の奥方は蛇になったことなど全く覚えておらず、泣く泣く薩摩に帰ることになったのです。
殿様が奥方を迎えに来た薩摩の侍と出会い、離縁状を手渡した坂道を「状の坂」または「情の坂」と呼ぶようになり、それが何年かするうちに、訛って「じょん坂」と言うようになったと伝えられています。(上庄魅力化委員会『上庄の歴史と昔話』「第三回・じょん坂の由来」)
・・・なんだかな。
初めてこの話を聞いたときに、こんなやりとりが目に浮かんだんですよね。
家来:奥方様は城を抜け出して逢引なさっておいででした。蓮池のほとりでどこぞの男と(以下自粛)。
殿様:やっぱりか!離縁じゃ!相手の男のはぶっ殺すとして、城下の者や島津になんと言おうか。そのまんま発表するとワシの面子にかかわる上に角が立ちそうだ。オブラートにくるんだ良い表現は無いものか。
家来:邪淫にふけっていたので・・・とか。これもまんまでございますねー・・・うーん。
殿様:それだ!蛇になったとでもしておこう。蛇身と邪淫の発音は似てるし、島津の家も察しがつくだろう。うん、それでいこう。
で、こんな伝説が残った、と。飛躍しすぎかもしれませんけどね。
竹迫城は別名「蛇の尾城」とも呼ばれたそうなので、そっちから話を膨らませた可能性もあるかも。
竹迫城の奥方【たかばじょうのおくがた】:竹迫城(たかばじょう)の殿様の奥方は薩摩の島津さんのお姫様で、それはそれは美人だったそうです。しかし、この奥方は時々城を抜け出してどこかへ行くという噂がありました。ある日、不思議に思った殿様の家来が確かめようと思い、奥方の後をそーっとつけて行きました。奥方は城の下にある蓮池に行き、なんと水浴びをはじめたのです。そしてバシャッと水音がしたかと思うと、奥方の体が蛇となって蓮池の中を泳いでいるではありませんか。家来はびっくり仰天して城に帰り、殿様に報告しました。殿様も非常に驚き、手紙をしたためて離縁の運びとなります。当の奥方は蛇になったことなど全く覚えておらず、泣く泣く薩摩に帰ることになったのです。
殿様が奥方を迎えに来た薩摩の侍と出会い、離縁状を手渡した坂道を「状の坂」または「情の坂」と呼ぶようになり、それが何年かするうちに、訛って「じょん坂」と言うようになったと伝えられています。(上庄魅力化委員会『上庄の歴史と昔話』「第三回・じょん坂の由来」)
・・・なんだかな。
初めてこの話を聞いたときに、こんなやりとりが目に浮かんだんですよね。
家来:奥方様は城を抜け出して逢引なさっておいででした。蓮池のほとりでどこぞの男と(以下自粛)。
殿様:やっぱりか!離縁じゃ!相手の男のはぶっ殺すとして、城下の者や島津になんと言おうか。そのまんま発表するとワシの面子にかかわる上に角が立ちそうだ。オブラートにくるんだ良い表現は無いものか。
家来:邪淫にふけっていたので・・・とか。これもまんまでございますねー・・・うーん。
殿様:それだ!蛇になったとでもしておこう。蛇身と邪淫の発音は似てるし、島津の家も察しがつくだろう。うん、それでいこう。
で、こんな伝説が残った、と。飛躍しすぎかもしれませんけどね。
竹迫城は別名「蛇の尾城」とも呼ばれたそうなので、そっちから話を膨らませた可能性もあるかも。
熊本の妖怪
ガメ:ガメというのは熊本県八代市にある八代神社の秋祭り、八代妙見祭に登場する亀蛇(きだ)の御輿の名称です。八代妙見祭は「今から約1300年前に中国から妙見神が亀蛇に乗って八代に上陸した」という故事にもとづいて江戸時代中期に始まったそうです。神様の乗り物なので妖怪と言って良いかどうかは迷うところではありますが、描いちゃったよ!
八代といえば九千坊に率いられた九千匹の河童が中国から泳いできて上陸した土地でもあります。こちらは仁徳天皇時代(313~399年)らしいので、河童の方が妙見神より先にやってきてるんですね。
海を渡ってきたのだからウミガメがベースと思いきや、御輿にはツメがついたリクガメ(ミズガメ)っぽい手足が付いてる不思議。
ガメ:ガメというのは熊本県八代市にある八代神社の秋祭り、八代妙見祭に登場する亀蛇(きだ)の御輿の名称です。八代妙見祭は「今から約1300年前に中国から妙見神が亀蛇に乗って八代に上陸した」という故事にもとづいて江戸時代中期に始まったそうです。神様の乗り物なので妖怪と言って良いかどうかは迷うところではありますが、描いちゃったよ!
八代といえば九千坊に率いられた九千匹の河童が中国から泳いできて上陸した土地でもあります。こちらは仁徳天皇時代(313~399年)らしいので、河童の方が妙見神より先にやってきてるんですね。
海を渡ってきたのだからウミガメがベースと思いきや、御輿にはツメがついたリクガメ(ミズガメ)っぽい手足が付いてる不思議。
愛知おもてなし妖怪隊
twitterでやっている伝承妖怪お題絵・・・ではありません。番外編。
磯天狗【いそてんぐ】:「愛知おもてなし妖怪隊」の磯天狗の項目参照のこと。イメージとしては火の怪異で釣り人の気をそらしつつ背後から飛来して超スピードで魚籠の魚を抜き取っていくとか、そんな感じ。
http://aichiyoukwaitai.web.fc2.com/
twitterでやっている伝承妖怪お題絵・・・ではありません。番外編。
磯天狗【いそてんぐ】:「愛知おもてなし妖怪隊」の磯天狗の項目参照のこと。イメージとしては火の怪異で釣り人の気をそらしつつ背後から飛来して超スピードで魚籠の魚を抜き取っていくとか、そんな感じ。
http://aichiyoukwaitai.web.fc2.com/
伝承妖怪お題絵:第15回
とりけ:香川県の丸亀地方に伝わる。鉄道の踏切や川、池などで変死がよくあるのは、先にそこで死んだ者が離れずにいて、通りかかった者を誘うからだという。(立花正一『郷土研究』七巻二号「讃岐丸亀地方の傳承」
twitterでやっている伝承妖怪お題絵の3月のお題。「とりけ」の漢字はどう当てるのでしょうね。取(り憑く)気(配)、取(り憑く物の)怪かな。高橋葉介先生の学校怪談で川岸に幽霊が数人並んでる話があるけど、文章を読んで最初に抱いたイメージがそれだったので、イメージを遠ざけるために人間をあの世に引き込みたい獣のような欲求ということで獣と人間の合いの子のような外見にしてみました。
【2013年3月23日13時追記】
-------------------------------------
twitterで
氷厘亭氷泉@hyousen 4時間前
トリケ 同場所で続いて変死がある時 あそこはトリケニナットルという。 ◆三宅周一「葬送習俗語彙(仲多度郡)」(『民間伝承』5巻11号)
との事なので「とりけ」とは妖怪名ではなく場所的な、取(り憑かれやすい)圏(内)とか、そんな感じの字を当てるのでしょうかねー。
とりけ:香川県の丸亀地方に伝わる。鉄道の踏切や川、池などで変死がよくあるのは、先にそこで死んだ者が離れずにいて、通りかかった者を誘うからだという。(立花正一『郷土研究』七巻二号「讃岐丸亀地方の傳承」
twitterでやっている伝承妖怪お題絵の3月のお題。「とりけ」の漢字はどう当てるのでしょうね。取(り憑く)気(配)、取(り憑く物の)怪かな。高橋葉介先生の学校怪談で川岸に幽霊が数人並んでる話があるけど、文章を読んで最初に抱いたイメージがそれだったので、イメージを遠ざけるために人間をあの世に引き込みたい獣のような欲求ということで獣と人間の合いの子のような外見にしてみました。
【2013年3月23日13時追記】
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twitterで
氷厘亭氷泉@hyousen 4時間前
トリケ 同場所で続いて変死がある時 あそこはトリケニナットルという。 ◆三宅周一「葬送習俗語彙(仲多度郡)」(『民間伝承』5巻11号)
との事なので「とりけ」とは妖怪名ではなく場所的な、取(り憑かれやすい)圏(内)とか、そんな感じの字を当てるのでしょうかねー。
熊本の妖怪
徳利狐【とっくりぎつね】:天草の牛深と茂串のあいだにある峠に出たばけきつねで、とっくりをころころ転がす音をさせたり女の人に化けたりして、通る人を山奥へ迷わせたりしました。この狐のいたずらから、この峠の坂道を「徳利坂」と呼んでいるとのことです。
今回の妖怪はこちらのサイトの記述を参考にしています。
http://www10.plala.or.jp/cotton-candy/mo...
徳利狐【とっくりぎつね】:天草の牛深と茂串のあいだにある峠に出たばけきつねで、とっくりをころころ転がす音をさせたり女の人に化けたりして、通る人を山奥へ迷わせたりしました。この狐のいたずらから、この峠の坂道を「徳利坂」と呼んでいるとのことです。
今回の妖怪はこちらのサイトの記述を参考にしています。
http://www10.plala.or.jp/cotton-candy/mo...
ぬらりひょん打田
仕事用に簡単な塗りわけにグラデーションをかけた絵のサンプルをつくる必要があったので、妖怪芸人のぬらりひょん打田【http://ameblo.jp/nurariuchida/】さんの画像を下敷きにしてつくったのであった。怒られたら削除しまする。
仕事用に簡単な塗りわけにグラデーションをかけた絵のサンプルをつくる必要があったので、妖怪芸人のぬらりひょん打田【http://ameblo.jp/nurariuchida/】さんの画像を下敷きにしてつくったのであった。怒られたら削除しまする。
熊本の妖怪
国見山の大天狗【クニミヤマノオオテング】:『肥後国誌』によると国見山は大きな岩が転がっていて、山頂に上宮権現が鎮座しているが森も祠もなく、大岩そのものが権現様であり、そこには神の使いである大天狗・小天狗が控えているという。
また、角田豊著『鹿央風土記』には、夕刻になると小天狗が人里に餌を求めて飛んできて、いつまでも遊びほうけている子供を攫っていってしまうとある。夜な夜な宴会騒ぎをしていた彼らだが、明治の終わりに国見山が山火事になった際に殆どが死に絶えてしまったそうだ。
今回の妖怪はこちらのサイトの記述を参考にしています。
http://www7a.biglobe.ne.jp/~k1058/denset...
江戸時代の末期まで山鹿市鹿央町の国見山は「霜野山、下の山、下野山」と呼ばれていたそうです。熊本には国見山は10あるそうで、マピオンで「国見山 熊本」と入力しても7つでてきます。国見山多すぎィ!
国見山の大天狗【クニミヤマノオオテング】:『肥後国誌』によると国見山は大きな岩が転がっていて、山頂に上宮権現が鎮座しているが森も祠もなく、大岩そのものが権現様であり、そこには神の使いである大天狗・小天狗が控えているという。
また、角田豊著『鹿央風土記』には、夕刻になると小天狗が人里に餌を求めて飛んできて、いつまでも遊びほうけている子供を攫っていってしまうとある。夜な夜な宴会騒ぎをしていた彼らだが、明治の終わりに国見山が山火事になった際に殆どが死に絶えてしまったそうだ。
今回の妖怪はこちらのサイトの記述を参考にしています。
http://www7a.biglobe.ne.jp/~k1058/denset...
江戸時代の末期まで山鹿市鹿央町の国見山は「霜野山、下の山、下野山」と呼ばれていたそうです。熊本には国見山は10あるそうで、マピオンで「国見山 熊本」と入力しても7つでてきます。国見山多すぎィ!
熊本の妖怪
小豆洗【アズキアライ】:阿蘇郡高森町に村山薬師というところがあり、その下に小川が流れていて、その川のほとりに小豆洗が出ると言って土地の人々は恐れている。(丸山学・熊本民俗民族学会『みんぞく』通巻十四号「山の神その他」)
http://www.nichibun.ac.jp/YoukaiCard/220...
一般的に「小豆あらい」といえばこの外見!というほど浸透してると思います。(↓)
それをそのまま描くのもつまらないし、ぬらりひょん打田さん【http://ameblo.jp/nurariuchida/】がyoutubeで「一般的に妖怪は男として描かれる場合が殆ど。~女、~婆といった女性をさす言葉が名前に入ってると女性として描かれるけど、伝承の中で性別が不明なものまで絵描きさんは男として描いてしまう!」と言っておられたので女性として描くことに。
でも、よくよく考えたら小豆婆という妖怪もいるし、下手すると小豆洗の絵ではなく小豆婆の絵になってしまうので、竹原春泉画『絵本百物語』の「小豆あらい」の背景をそのまま模写して女体化バージョンみたいな仕上げにしてみました。本家の手足の指が二本という特徴や、傍らにある柄杓(杖?)も押さえておかないとパロディとして成立しないんじゃないか・・・と、文面を入力してて思ったんだけどどうしようかな。いつもの如く後から修正するかも。(※2013年1月30日に修正して差し替えました)
熊本県阿蘇郡高森町高森村山という地名は今もあります。川もあります。薬師(堂?)まではわからなかったけど。
小豆洗【アズキアライ】:阿蘇郡高森町に村山薬師というところがあり、その下に小川が流れていて、その川のほとりに小豆洗が出ると言って土地の人々は恐れている。(丸山学・熊本民俗民族学会『みんぞく』通巻十四号「山の神その他」)
http://www.nichibun.ac.jp/YoukaiCard/220...
一般的に「小豆あらい」といえばこの外見!というほど浸透してると思います。(↓)
それをそのまま描くのもつまらないし、ぬらりひょん打田さん【http://ameblo.jp/nurariuchida/】がyoutubeで「一般的に妖怪は男として描かれる場合が殆ど。~女、~婆といった女性をさす言葉が名前に入ってると女性として描かれるけど、伝承の中で性別が不明なものまで絵描きさんは男として描いてしまう!」と言っておられたので女性として描くことに。
でも、よくよく考えたら小豆婆という妖怪もいるし、下手すると小豆洗の絵ではなく小豆婆の絵になってしまうので、竹原春泉画『絵本百物語』の「小豆あらい」の背景をそのまま模写して女体化バージョンみたいな仕上げにしてみました。本家の手足の指が二本という特徴や、傍らにある柄杓(杖?)も押さえておかないとパロディとして成立しないんじゃないか・・・と、文面を入力してて思ったんだけどどうしようかな。いつもの如く後から修正するかも。(※2013年1月30日に修正して差し替えました)
熊本県阿蘇郡高森町高森村山という地名は今もあります。川もあります。薬師(堂?)まではわからなかったけど。
祇園池の片目鮒【ぎおんいけのかためふな】:祇園池には片目の魚がいる。これは鮒であるが、なぜ、そのような片目の魚がいるのかわからない。いつか若い者が祇園池の魚をとったら、数ヶ月してから死んだという話がある。また、祇園さんが稲穂で眼をついたので、旧6月15日には田に入らないという伝承もある。(五木村民俗調査団編『五木の民俗』)
同じ祇園池にはクズと呼ばれる大きな亀も住んでおり、この池から約900メートル難れた祇園社(八坂神社)の間を毎年のように行き来している姿が目撃されていたそうです。こっちのクズはそのうちに描く予定。
ちなみにこの祇園池ですが、工事で川の流れが変わったり大水があったりで現在では水没して無くなっているそうです。