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AMAKOMA-YA
熊本の妖怪
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轆轤首【ろくろくび】:此頃絶岸和尚といふ僧西國行脚の折から肥後へ行て、しころ村といふ所に一宿せられしに軒あばらなるかり枕、風冷しく吹落て夢もまどらかならざりければ夜更まで念佛稱名して居たまひしに、うしみつばかりに其屋の女房の首むくろよりぬけて、窗の破れより飛出ぬ。あやしと思ひて念頃に見れば其首の通ひしあとに白きすじのやうなるもの見えたり。是こそ轆轤首よとおそろしく、誠に過去の業因までおしはからるゝに夜明かたになりて其すじ動くやうにて又もとの處より彼首かへり、につこと笑ふやうにておのがふしどに入ぬ。夜明て其女房を見れば、首のまはりに筋あるやうにて別のかはりなし。(山岡元隣『古今百物語評判』)

首が伸びるタイプの轆轤首ではなく、首が抜け落ちる飛頭蛮タイプの轆轤首ですね。それにしても、泊めてもらってる立場のくせに、風うるさいし寒いし寝られないので夜更けまで念仏唱え続けるって、絶岸和尚さん迷惑すぎる。家の女房がろくろ首になったのは、「うるせークソ坊主、夜中に騒音たてんじゃねー!眠りたい人間もいるんじゃー!」という無言の抗議。多分そう。きっとそう。

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